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(ss)405

作品情報

作者4-565氏初出070121
題名とある〜委員長

とある 放課後の一年五組   可憐な委員長が、男子と話をしている。
良くある微笑ましい光景に見えるが、委員長が宇宙人ってのはそう無いはずだ。

雨音だけが静かに時の流れを教えてくれている教室で、俺は物静かで小柄な少女お薦めの本を読んでいた。
放課後の教室には、俺といつも微笑みを絶やさない少女だけが残っている。

「おまえはまだ帰らないのか?」
「どうかな?もう少しかも」
まるで他人事のように答える委員長は静かに日誌を付ける。

「委員長の仕事って案外大変だな。」
「そうね、色々あるわ。決められた仕事以外にも、クラスのみんなを気遣う事も多いし。」

雨音だけが静かな教室に時の流れを教えてくれている。
午後からずっと、雨は降り続いていた。

「いつもこんなに遅いのか?」
「ううん、今日は特別。」

俺は窓の外を見る。雨は止む気配もなく退屈そうに雨音を立ていて下校時間になっても、雨は止む気配が無い。

「しょうがないか」
下校時間も過ぎ、しかたなく帰り支度を始める。
雨が止むのを待って帰ろうとしたが、結局雨は止まなかった。

ただ、傘を忘れた俺が濡れずに帰って来れたのは、委員長がげた箱の前で、ほんの少し照れた顔を隠すようにして

「これもね、委員長の仕事だから。」
そう言って一本しかない傘を、そっと、俺に差し出してきたからだった。

Last modified:2007/04/06 00:27:29
Keyword(s):[とあるシリーズ]
References:[旧作一覧その5]