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(ss)402

作品情報

作者15-18氏初出070119
題名無題

リョウコ「じゃあね。」(立ち去ろうとする)
  店主「お客さん、困りますねぇ。はらうもの払わなきゃ」
リョウコ「うん。それ無理。
 それよりも聞いて、おでんは、室町時代に出現した味噌田楽、田楽と言われる食物が原型なの。
 古く田楽と呼ばれた料理には、現在の味噌田楽および田楽である具を串刺しにして焼いた「焼き田楽」のほか、具を茹でた煮込み田楽があったのよ。
 のち、煮込み田楽が女房言葉で田楽の「でん」に接頭語「お」を付けた「おでん」と呼ばれるようになって、単に田楽といえば焼き田楽をさすようになったの。
 その後江戸時代にそれまでの溜りから濃口醤油が発明され、醤油味の濃い出汁で煮た「おでん」がつくられるようになったのよ。
 それが関西に伝わり「関東炊き」、「関東煮(かんとだき(「とう」を伸ばさい))」と言われたのよ。
 おでんは江戸では廃れ、関西では昆布で出汁をとったり、薄味にしたりと工夫されたのだけど、関東大震災の時、関西から救援に来た人たちの炊き出しで、おでんを「関東炊き」としてだされることがあって、その後、東京でもおでんが復活するけど、関西風のおでんが主流になるの。
 もともとの「関東炊き」(濃い醤油味)は、老舗の味として関西で残っていることもあるし、東京でも一度は消えたが江戸の味はこうだったらしい、ということでつくっている店はあるの。
 なお、1937年(昭和12年)発行の「軍隊調理法」(旧日本陸軍の調理教本)においてはね、本項で述べるおでんが「関東煮」と表記されて、別途「肉味噌おでん」として田楽風の料理が記載されているの。
 通常のおでんとは異なった種類のおでんとして、コンニャクのみを具とする「こんにゃくおでん」(「味噌おでん」とも呼ばれる)があるの。
 だし汁ではなく湯で煮込んで熱くしたコンニャクに甘い味噌ダレを付けて食べる淡白な食品で、古い時代の煮込み田楽の遺風を残しているんだって。」
  店主「・・・」
リョウコ「じゃあね。」(立ち去る)

Last modified:2007/01/20 00:38:54
Keyword(s):
References:[旧作一覧その5]