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(ss)401

作品情報

作者14-969氏初出070119
題名無題

 鍋の七分目あたりにまで注がれただし汁に、丸く切り角を取った大根や四つに分けた揚げ出し豆腐、きゅっと結んだ昆布、硬さ半分で茹でるのをとめた卵といった、ありきたりとも定番とも言えるおでん具材を一つ一つ丁寧に入れていく。
 一時間ぐらい前からキッチンで続いているその作業を、俺はリビングからただじっと見つめ続けていた。

 なあ朝倉。お前がどれだけそのおでんを作るのに愛情と労力を込めているのかは充分わかった。かつて俺を殺そうとしたあの朝倉の姿が笑えない冗談に思えてくるぐらい今のお前は普通の女の子だ。どこぞのイエスマンたちの組織が崇め奉る御神体涼宮ハルヒに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぐらいだ。だからこそ教えて欲しい。
 その子細に至る部分までできれば全部だ。
 なぁ。このおでんパーティは一体全体何の乱痴気騒ぎの前触れなんだ?


「……それは朝倉涼子のおでんが完成したら教える。
 わたしはその為に来た。決してあなた達だけで食べようとしていたおでんを狙ってではない」

Last modified:2007/01/20 00:45:30
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References:[旧作一覧その5]