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種族維持的価値

予備知識種族維持的価値

コンラート・ローレンツが提唱した用語。「種族維持的合目的性」とも言うらしい。

「一切の生物のすべての複雑な構造は、特定の種族維持的はたらきが自然淘汰の圧力の下におかれたことによって生じた」ので、現在の動物の行動様式・構造は、淘汰圧のなかで種族的な生き残りの機能(種族維持機能)が高いモノが、結果として残ったものである。

これを、後づけの目的として考えれば、種族維持的価値が高い機能や行動様式が残ったのであり、生物は種族維持的価値が高い機能や行動様式を残しており、生物は種族維持的価値を求めて進化する、と言うように説明することができる。

もちろん、この「価値」とか「目的」というのは、淘汰圧の結果として生じた「結果」を「目的」とか「価値」というコトバで言い換えたモノに過ぎない。

このような結果の言い換えとしての「目的」を「結果的目的」若しくは「後づけの目的」と呼んでおこう。

そもそも、人間的な意味における「目的」というのも、多様な選択肢のそれぞれの結果を、頭の中でシミュレートして、淘汰して、『その選択肢の「結果」をその選択肢の「目的」である』と言っているだけだろう。

参考

http://www.meken.med.kyushu-u.ac.jp/~tosakai/board041227.html

K.ローレンツ「鏡の背面」P49より引用

いうまでもなく一切の生物のすべての複雑な構造は、特定の種族維持的はたらきが自然淘汰の圧力の下におかれたことによって生じたものである。生物学者が一つの構造に出会ってその機能がわからないとき、その構造の機能は一体何だろうかと問うことは、彼にとっては自明の義務である。たとえばわれわれは、<何のためにネコは鋭い曲がった爪を持っているのか?>と問い、それに対して<ネズミを捕らえるため>と答えるとき、この問いと答えとは、問題設定と答えということの要約である。

コーリン・ピッテンドリは、種族維持的価値への問いをテレオノミー的問いと名づけたが、そのさい彼はこの造語によってテレオノミーを、ちょうどアストロノミー(天文学)がアストロロギー(占星術)から区別されている程度だけ、テレオロギー(目的論)から離すことを希望したのだった。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/zsj/taikai/2001/Symp1.html

動物がある行動をとるのは「なぜ」だろうか? 行動の適応的意義については,エソロジー(動物行動学)を確立したコンラート・ローレンツ以来,種全体を基準とした種族維持・種族繁栄論的説明がしばしばなされてきた。

しかしこの4半世紀,行動生態学 Behavioral Ecology の発展により,進化生物学の理論にもとづき,個体の適応度を基準とした説明が次第に受容されるようになってきた。

Last modified:2005/12/03 17:51:36
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