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意味の三角形

予備知識意味の三角形

オグデン&リチャードの「意味の三角形

説明

簡単に言うと、コトバの意味を(1)「記号」と(2)『意味』と(3)《モノ》の3個の要素に分けて理解するというもの。

たとえば「いま私はコップでコーヒーを飲んでいるのだよ」と言った時の「コップ」いうコトバの意味は、(1)「コップ」という記号と(2)その記号によって相手に伝えたい意味内容としての『コップ』と(3)私の目の前にあるモノとしての《コップ》とがある。

あなたが「いま私はコップでコーヒーを飲んでいるのだよ」と聞くということは(1)「コップ」という記号を受け取って(2)その記号によって伝えられた意味内容としての『コップ』をイメージすることになる。しかし(3)たけ(tk)の目の前にあるモノとしての《コップ》については何も知らないだろう。

コトバ《思いこみ》の伝達手段であり、《思いこみ》の容器である。コトバ《思いこみ》を伝達するだけである。コトバモノを伝達することはできない。コトバ《思いこみ》を指し示すことができるだけである。「コトバモノを指し示す」というのは、《思いこみ》を媒介とする間接的な関係で間接的に指し示す、ということである。

  1. コトバ《思いこみ》を指し示し、《思いこみ》モノを指し示す(ただし、常にではない)。「モノへの《知った思いこみ》」はモノを指し示す。コトバが、「或るモノへの《知った思いこみ》」を指し示すときに、そのコトバモノを(間接的に)指し示す、と言われる。
  2. 「記号」⇔コトバ『意味』《思いこみ》、《モノ》⇔モノ

一般的な説明

http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/kigou/kigou.html

記号負荷体 (Sign vehicle):記号の形体; 意義 (Sense) :記号により作られる意義; 指示物 (Regferent) :記号が表すもの;

 比較的良く知られた記号論的三角形はオグデンとリチャーズのもので、そこでは

  • (a)‘象徴 (symbol)’、
  • (b)‘思考または指示 (thought or reference)’、
  • (c)‘指示物 (referent)’

という用語が使われている (Ogden & Richards 1923,14)。三角形の底辺(記号負荷体と指示物の間:たけ(tk)注)が破線なのは記号負荷体と指示物の間に必ずしも観測可能なまたは直接的な関係がないことを示している。

たけ(tk)思うに

オグデン&リチャードの意味の三角形は、もともとは、比較言語学から出てきた理論。たとえば、エスキモーのコトバには「雪」に当たるコトバがない。というのは、彼らの生活にとっての雪は非常に重要なモノであるため、吹雪か小雪か、ふりもった雪かなどで細かく分類され、別のコトバで呼ばれている。それゆえに、「雪」を一般的にあらわすコトバがないという。

文化によってコトバの記号と意味との関係は異なり、モノとの関係も異なる。英語の「brother」に当たる日本語はないし、日本語の「きょうだい」に当たる英語もない。

この、記号⇔『意味』⇔《モノ》の結びつきの任意性は直観によって得られたモノ世界の記述のためには大きな障害になる。直観によって得られた知識を述べるコトバというのは、ある意味で別の文化の言語体系なのである。私があなたに伝えたいモノコトバにすると、そのコトバを聞いたあなたは別のモノを思い浮かべるかもしれない。あなたが正確に理解したとしても、そのモノを思い浮かべただけでは私が伝えたいモノが伝わったことにはならない。あなたがそのモノをあなた自身が知ったときに始めて、私が伝えたいモノが伝わったことになる。しかし、コトバによる伝達はそれを保障しないし、伝達されたことを確認するすべもない。

本稿との関係

たけ(tk)がやろうとしていることは、コトバを捨て去って見えてきたモノ世界を、コトバで説明しよう、ということだ。

コトバを捨て去って見えてきたモノ世界を説明するコトバ」というのはいささか不可解なものだろう。その説明を読んで理解してもらうためには、コトバモノとの関係についての基礎的な知識を読者に期待せざるをえない。意味の三角形というのは説明を聞くためにあらかじめ知っておくべき「コトバモノとの関係についての基礎的な知識」なのです。

Last modified:2006/09/30 14:50:47
Keyword(s):
References:[『意味』]