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本能

第二百七十九話:”本能”

何もない部屋に男が座っている。
男の右腕には拳銃が握られていた。
「コイツはマジお勧めだよ。見ろよこの大口径。
引き金をちょっと引くだけで・・・目の前の奴はミートソースだ」
言われるがままに、売人から購入した。
男の左手には錠剤が握られていた。
「何?勇気が出ないって?ならコイツが超お勧めだよ。
理性の裏側にある残虐性や攻撃性、破壊衝動・・・。
『生物としての本能』をマックスまで引き出してくれる」
言われるがままに、売人から購入した。

男は復讐がしたかった。
言われ無き暴力を振るった者達にではなく。
自分を蔑み続けた者達にでもなく。
自分を傷つけ続けた世界全てに。
「裁きの時が訪れたのだ」
男は錠剤を飲み干した。

やがて全身が熱を帯び、手の震えが止まった。
高揚感が体を支配する。その一方で凍り付く程に頭は冷静だ。
男は悟った。拳銃を握りしめた。自分のこめかみに押し当てた。
「Born To Die」

作品情報

作者

出典

  • 第四夜[403]

あとがき

  • (投稿なし)
Last modified:2007/06/11 00:57:13
Keyword(s):
References:[第ニ百七十一話〜第ニ百八十話]