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フェロ喪ン

第二百五十六話:”フェロ喪ン”

俺の醜さには、つくづくあきれるばかり。
身だしなみには気を使っているのだが、女とはまったく縁がない。
環境が変われば、変化や出会いがあるかもしれない。
そう思って、引っ越したのだがダメだった。

ある化学者のことを思い出し、ふらりと彼の家に寄ってみた。
化学者の醜い顔を見た瞬間、噴き出しそうになったが、こらえた。
「よく来たな。最近完成したフェロ喪ンがある。試してみるかい?」
なるほど、喪男が開発したからフェロ喪ン。

こんな俺でも、フェロ喪ンを塗れば女が寄ってくるだろう。
と思って、町に出たのだが、寄ってきたのは、心か顔、あるいは両方が醜い女ばかり。
俺とつりあうのはこんな女だけなのか。

化学者に頼んで、別のフェロ喪ンをもらった。
これは似たものどうしを惹きつけるフェロ喪ンらしい。
自分に似た女が寄ってくるのだと思っていたが、寄ってきたのは、鯛男ばかり。


文句を言うために、化学者の家に向かった。
化学者は、皮肉な笑いを浮かべて、言った。

「このあたりに住んでいるのは、身の程をわきまえず、高望みしたり、相手を求めるやつばかりさ。
 そういう迷惑なやつらを、フェロ喪ンで互いにひきつけて、隔離したというわけ」
「なんてことだ…」
「君はイケメンからも喪からも爪はじきにされる存在。
 フェロモンも染み付いたんだし、外にいる連中みたいに馴れ合うんだな」

俺は、ふらりとした足つきで、外に出た。どこに向かうんだろう。


喪にも

可女少
な物語

作品情報

作者

出典

  • 第四夜[226]

あとがき

  • (投稿なし)
Last modified:2007/03/31 22:12:54
Keyword(s):
References:[第ニ百五十一話〜第ニ百六十話]