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ハッピー('A`)ヴァー スデー

第二百八十八話:”ハッピー('A`)ヴァー スデー”

♪ハッピバースデ〜 お〜れ〜
 ハッピバースデ〜 お〜れ〜

男のムサい歌声が安アパートに響く。

あらかじめ録音しておいた低音パート(自分の声)に
きっちりとハモらせる喪太郎。

そう、今日は喪太郎の誕生日だ。


目の前には、プレゼントを差し出す可愛い黒髪の女の子。
それはエロゲのワンシーン。
しかし、喪太郎の目に映るショートケーキは、2次元のものではない。
しっかりと現実のものだ。

歌い終えると、満足げな顔で息を吹きかける。
するとショートケーキに所狭しと(壁面にも8本)、
突き刺さった30本のロウソクは一斉に消え去った。

炎が消えると、まるで白いウニのようだ。

喪男である俺を祝う奴など、誰もいない。
特に、女には生まれてこのかた、一度も祝ってもらったことは無い。

ケーキを頬張りながら、テレビを眺める。
塩味のケーキが、より気分を滅入らせる。

「とうとう俺も魔法使いの仲間入りか・・・・・」

涙を拭い顔をあげると、不思議なことが起こった。
目の前に、変な格好をした老人が、PC画面の中の美少女と
イチャついてた。

「おい、そこのお主。晴れて、魔法使いの仲間入りじゃな。
 そこでお前の願いを、ひとつだけ聞いてやるぞ。」

突然の申し出に、喪太郎は言葉を失った。
しかし、暫く考えた後、静かに口を開いた。

「彼女が欲しい・・・・・とは言いません。
 無理と判ってますから。
 だけど、寂しさを、孤独を紛らわしたい・・・
 仲間が欲しい・・・・・・」

「その願い、叶えてやろう。」

そう言い残すと、その不思議な老人は光を放ち姿を消した。
残されたのは、いつもと変わらぬ部屋。
一向に変わらぬ現実を、目の前に喪太郎は呆けていた。

その時、地球の裏側では、一人の赤ん坊がこの世に生を受けていた・・・・・・
――――新たな喪男の誕生である。

(第七十三話へ続く)

喪にも

可女少
な物語

作品情報

作者

出典

  • 第四夜[500-501]

あとがき

  • (投稿なし)
Last modified:2007/07/13 02:56:11
Keyword(s):
References:[第ニ百八十一話〜第ニ百九十話]