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認めてほしい 後編

869 :名無しさん :2007/01/16(火) 20:44:49

家へ戻る○○を玄関で見送った秀規は、
なんとなくもうこのまま彼女と会えないのではないかという予感がしていた。
数十分後、彼女からメールが届いた。
なんだか胸騒ぎがする。
メールの内容を見て、「やっぱり・・・。」
予感的中である。
秀規は涙が溢れて、鼻の奥がツーンとしてくるのが分かった。
もう涙で目の前がかすんでいる。その場に座り込んでしまった。

870 :名無しさん :2007/01/16(火) 20:52:11

「なんで、なんでなんだ。あんなに愛してるって言ってたじゃないか。
あんなに可愛い愛しい女は他にいない。俺にふさわしい人と一緒になれって?
そんなもん、あいつしか居ない。
あいつがいなければ生きてたって意味が無い・・・。」
秀規の目から大粒の涙がポロポロと流れる。
もう、一生分の不幸を背負い込んだ感じだ。
泣きながら秀規はメールを返信した。
「○○へ
俺は絶対別れたくない。今からそっちへ行く!秀規より」
そして、○○の家へ走った。

872 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:36:27

PIPIPIPIPI・・・・
○○は秀規からのメールに気づく前に風呂に入ってしまう。
私は両親にバレないようにシャワーを出し、思いっきり声を出して泣いた。
好きなのに、こんなに愛しているのに!菊さま・・・
「はぁはぁ・・・」
ピンポーン・・・
「はい。」
「○○さん出して下さい!」
ガチャッ
「○○なら風呂に・・・お前!何しに来たんだ!」
「○○さんに会わせて下さい!」
「ふざけるな!○○はお前の顔なんて見たくないと言ってるんだ!」
「嘘だ!あいつがそんな事を言うはずがない!」
「本当だよ。・・・それに○○には婚約者がいるんだ。」
「・・・婚約者?」
「あれ?○○から何も聞いてなかったのかい?
全く・・・婚約者がいる娘に手を出しやがって。帰れ!」
バタンッ・・・
嘘だろ?婚約者って・・・今までの事全部嘘だったのか?そんな・・・。
ん?玄関の方が騒がしい・・・私は風呂から上がった。
「お父さん、玄関の方騒がしかったけど誰か来たの?」
「あぁ、何でもないよ。」
「そう?」
○○は自分の部屋に戻ると秀規からのメールに気づき、慌てて父の元へ。

873 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:37:58

「お父さん!さっき菊地さん来たでしょ!?」
「来てないよ。」
「嘘よ!今すぐ家に来るってメールがあったんだから!」
「・・・来たから何なんだ?もう終わった事だろう。」
「酷い!追い返したのね!?菊地さん何か言ってなかった!?」
「何も。」
「嘘よ!」
「・・・お宅の娘さん誑かせてすみませんでしたって。」
「そんな事言うわけない!」
「本当だ。悪い男に遊ばれてたんだよ。もうあの男の事は忘れろ!
これはお前の事を思って言ってるんだ!」
・・・遊びだったの?嘘だ。だって別れたくないってメールで・・・
PIPIPIPIPI・・・
菊さまからメールだ・・・
件名 無題
本文
これがお前に送る最後のメールだ。
お前の事なんて最初から大嫌いだったよ。欠片も好きじゃない。
もう俺の前に姿現さないでくれ。どうぞお幸せに。
・・・・・何これ?別れたくないって言ってたのに。
意味が分からず菊さまに電話を掛ける。
秀規は数十回目の電話でやっと出た。

874 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:39:49

「もしもし!」
「・・・何?」
「菊さま、何なんですか!?さっきのメール!」
「何ってその通りだよ。電話なんて掛けてこないでくれ。それじゃ・・・」
「待って下さい!じゃあ、別れたくないっていうのは!?」
「あぁ、送る相手間違えたんだ。」
「間違えたって、ちゃんと○○へって書いてあったんですけど!」
「それも間違えだから。」
「はぁ?」
「・・・それに俺結婚するんだよね。」
心臓が止まるかと思った。
「・・・結婚?」
「そう。だからこうして電話されても困るんだ。それじゃ。」
これは俺の強がりだった。本当は今すぐ抱きしめに行きたいくらい○○の事を愛してる!
でも初めて本気で愛した女に遊ばれ、しかも婚約者がいただなんて!
あいつだけは信じられると思ってたのに!
運命の人にやっと出会えたかと思っていたのに!
神様、これはどういう悪戯だ?俺が最初あいつの事をモノとして扱ってたからか?
俺はもう人なんて信じない・・・。俺はこの夜涙が枯れるくらい泣いた。
結婚するんだ。この言葉が頭から離れない。何で?いつから?
じゃあ今までの事全部嘘だったの?
お父さんの言っていた事は本当だったんだ・・・。神様、これはどういう悪戯ですか?
私が菊さまの気持ち考えずに振り回してばかりだったから?
もう恋なんてしない・・・。私はこの夜涙が枯れるくらい泣いた。

875 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:40:49

翌朝会社になんか行きたくなかったけれど、
これ以上休んだら会社から信用を失うから無理して行った。
帰宅するとリビングの方が何だか騒がしかった。
「○○お帰り。遅かったな!お客さんだ、挨拶しなさい。」
「お邪魔してます。□□です。」
「どうも、○○です・・・。」
彼への第一印象は真面目そうで笑顔が爽やか。
彼は父の部下で大卒で仕事の出来も良く、父のお気に入りらしい。
「お嬢さん可愛らしい方ですね。」
「はははー!そうか。良かったら今度デートしてやってくれ!」
「ちょ、お父さん!変な事言わないで!すみません、□□さん。
父酔っ払ってるみたいで・・・」
「いえ、・・・○○さんさえ良ければ・・・」
「え?」
「お食事にでも行きませんか?」
「は?」
「駄目ですか?もしかしてお付き合いしてる方がいるとか?」
「あの、私・・・」
「○○は彼氏いないんですよ!○○デートしてらっしゃいよ!
お母さん□□さんなら大賛成よ!」
結局私は両親の手前断るわけにもいかず、□□さんと連絡先を交換してしまった。
「お母さん!さっき何であんな事言ったの!?」
「何でって□□さん良い人そうじゃない。」
「良い人そうって・・・私はまだ菊地さ・・・」
「もう忘れなさい!□□さんみたいな人と一緒になった方が幸せよ。
これは○○の事を思って言ってるのよ。」
私の事を思って言ってる。これは父も言っていた。私の為・・・?
○○はこの時から周りに何か違和感を感じ始める。

876 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:42:50

数日後私は□□さんと食事に行った。両親に流されている。
はっきりそう感じたが、菊地さんの事を忘れられるかもしれない。
確かに□□さんは良い人。こうして食事している今も凄く私に気を遣ってくれる。
でも全然楽しくない。
私達が何度もデートを重ねる度に両親も喜んでいた。
「□□さん本当良い人ねぇ。きちんと遅くならないうちに送ってくれるし!
○○良かったわね〜!」
「俺の部下だけあるだろう?○○逃げられないようにしないとな!」
・・・何なんだろう、この違和感。両親がこんなに喜んでいてくれてるのに。
両親の笑顔が見れる事は、私にとって嬉しい事のはずなのに。何かがおかしい。
○○がこうして□□とデートを重ねている間、
秀規は毎日行きずりの女とセックスしまくっていた。
この悲しみを埋めるため。誰でも良かった。アイツを忘れる為なら・・・。
女なんてただの道具だ。
ある日いつものように○○は□□と道を歩いていた。
□□はこの日初めて○○の手を握る。
「キャッ!」
「僕と手繋ぐの嫌ですか?」
「いえ、ビックリしただけです。」
「良かった。」
・・・・大きい手。でも大好きだったあの大きな手とは違う。
心が温かくならない。
私・・・やっぱり菊さまの事が好き!忘れる事なんて出来ないよ・・・。
次の瞬間私は驚く光景を目にする。
・・・菊さま・・・
秀規はそれはそれは綺麗な女と歩いていた。
あの人が結婚する人なのかな・・・?

877 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:44:10

○○!?
俺の目には愛しい○○と手を繋いでいる男の姿が映った。
あれが婚約者か?神様はなんて残酷な事をするのだろう・・・。
こんなもの見たくなかった。
二人は目が合う・・・
菊さま・・・
○○・・・
二人はすれ違う。
俺はやっぱり○○の事が・・・でも○○には婚約者がいる・・・。
それでも○○が好きだ!
結ばれる事が出来なくても○○が俺の運命の人だ!
・・・神様・・・僕に少しだけ時間を下さい!
タッタッタッタッタッタッタ・・・・・グイッ
私は後ろに腕を引っ張られた。
「・・・菊さま!?!?」
菊さまは無言で私の腕を引っ張り、走り続ける。
「ちょ、菊さま!?何処に行くんですか!?」

878 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:47:44

「ぜぇぜぇ・・・」
「はぁはぁ・・・」
だいぶ走った。
「菊さま、一体どうしたんですか!?」
「・・・うぅ・・・ひっく・・・」
菊さまはその場に座り込み身体を大きく震わせ泣いていた。
「菊さま、何で泣いてるんですか!?」
「・・・好きだ・・・お前の事が好きだ・・・」
菊さまの突然の言葉に嬉しくて涙が溢れ出た。
「・・・私も菊さまの事が好きです!でも・・・菊さま結婚するんでしょう?
さっきの女の人と。」
「・・・ごめん、結婚は嘘だ。それにあの女の事は何とも思ってない。」
「嘘!?何でそんな嘘を・・・」
「お前に婚約者がいるって聞いたから。」
「は?婚約者?誰がそんな事を?」
「お前のお父さん・・・お願いだから結婚なんてしないでくれ・・・
俺の運命の人になってくれよ・・・」
「ちょ、待って下さい!私結婚なんてしませんよ?婚約者もいないですし。」
「は?」
「・・・もしかして私たちお父さんにハメられた!?」
私たちはお互い誤解していた事が分かり、
またこうして二人が愛し合える事を喜び、抱き締めあった。

879 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:48:55

二人は○○の家に向かった。
「ただいまー!」
「ちょ、○○、□□さんがあんたと歩いてる時に男にさらわれたって言って、
さっき家に来たんだけど・・・って貴方は・・・!」
「○○帰ってきたのか!?・・・ってお前は・・・!」
「どうも、菊地です。」
「貴方が○○をさらったの!?」
「○○をどうするつもりだ!?」
「ちょ、二人ともやめて!」
私は興奮している両親を必死にとめた。
「○○さん・・・心配したんですよ。」
「□□さん、心配掛けてごめんなさい。私・・・この人の事が好きなんです!」
「お前って奴はまだそんな馬鹿な事言うのか!」
「だって・・・好きなんだもん!それにお父さん何で、
菊地さんに私に婚約者がいるって嘘ついたの!?」
「何でってそれはお前の為だ!」
「私の為・・・?」
「そうだ。お前の幸せの為だ。」
「そうよ。貴方の為よ。○○には□□さんがいるでしょう?
もうこの人と関わるのはやめなさい。」
「何が私の為よ!確かに□□さんは良い人よ。
お父さんたちも私が□□さんといれば喜んでくれたから今まで付き合ってきた。
でも□□さんといて楽しいとか幸せとか思った事は一度もなかった。
結局お父さんたちは私の幸せとか言って、自分の事しか考えてないじゃない!」
「お前・・・」

880 :名無しさん :2007/01/17(水) 13:49:48

「僕達の事認めて下さい!僕は○○さんの事を愛してるんです!お願いします!」
「私からもお願い!□□さんには悪いけど私達の事認めて下さい!」
「駄目だ!認めん!」
「どうして!?」
「駄目なものは駄目だ!」
・・・どうして認めてくれないの?好きな人と一緒にいたら駄目なの?
「・・・分かったよ。認めてくれないなら私・・・この家から出て行く!!!」
ガチャッ
「ちょ、待ちなさい!○○!」
私は走って家から飛び出した。
「はぁはぁ・・・出てきちゃった。菊さま、私これからどうしよう?」
「・・・電車で何処か遠くに行こう。行けるところまで・・・」
Last modified:2007/02/09 17:53:14
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