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海水浴に出掛けたら 3

765 :名無しさん:2007/07/15(日) 12:41:55

 ライブの第1部が終わり休憩時間、秀規はその町の繁華街へ足を運んだ。
あまり時間は無い。あせって何か良いプレゼントは無いか探した。
だけど田舎町のその繁華街ではこれといったものは見つからなかった。
「仕方ない東京に戻ってから探すか。」
秀規は楽屋へ戻った。

ライブが終わり帰り道、雨の影響で道が混んでいた。
なかなか車が進まない。
「ああ、早く東京に帰りたい。」
あせる秀規だがあせるほどに車は進まず時間だけが過ぎていった。
東京に戻ったら8時を過ぎていた。
「今から病院行ってももう面会時間過ぎてるよな・・・。」
でも夜遅くまで開いてる店でなんとかプレゼントを買った。
小さな猫のぬいぐるみがついた携帯ストラップ。
あまり高価なものではないが、彼女が猫好きだから喜ぶと思った。
秀規はその足で病院へ行ってみることにした。


766 :名無しさん:2007/07/15(日) 12:55:56

 正面玄関の一部が開いていた。
「よっかった入れる。」
秀規は逸る気持ちを抑えながらエレベーターに乗り込んだ。
○○のいる階に着き、彼女の病室の前まで来た。
皆静かに各々テレビを見たり本を読んでいるようだった。
○○の所はカーテンがしてあった。
なんだか顔をあわせるのは気まずい。
それとは裏腹に遭いたくて仕方ない。
意を決して、秀規はカーテンの前に行き声をかけた。
「こんばんは、菊地ですけど、○○さんいますか?」
「はい。」
カーテンを開けると彼女がびっくりした顔でこちらを見ていた。
「菊さま、どうされたんですか?」
「今日お前の誕生日だから・・・。
 はい、これ。」
先ほど買ったプレゼントを渡す。彼女が包みを開け、中身を取り出した。
「わー、可愛い猫。菊さま今日忙しかったんじゃないの?
 わざわざ買いにいってくれてありがとうございます。 大切にします。」
彼女は一応喜んでくれたみたいだ。だけどいつもより元気がなかった。
「いつもより元気ないな。どうしたんだ?」
「どうしたんだって、今日私たち別れたじゃないですか。」
「えっ?そうだったけ?俺は別れたつもりは無いぞ!」
「だってわたしのこと大嫌い!って言われたじゃないですか。」
「それは・・・・。そのときの言葉のあやで・・・。
 お前勝手に電話切っただろ。だから話ができなかったんだよ。」
「それじゃあ菊さま・・・。」
「ああ、別れる気なんて無いよ。」
「私を許してくれるんですか?」
「今までだって許してきたんだ。今回も許すよ。 ただし、もうこんなややこしい嘘つかないでくれ。
 俺のこと試さなくてもいいから。 俺はお前のこと愛してるから。」
そういうと秀規は彼女にキスした。


768 :名無しさん:2007/07/15(日) 19:57:02

○○と仲直りして愛を確かめ合った秀規は翌朝気分よく目覚めた。 {{br}}

「これからも彼女のこと守っていこう。」
秀規はそう思っていた。
今日もライブで地方へいかなければならないので朝早く出かけた。
だが外は台風。
強い雨と強風に襲われながら秀規はもよりの駅まで歩いていた。
「服がびしょぬれだ。」
そう思いながら歩いているとふと電柱のそばに出してあるごみが目に留まった。
「あっ!前からほしいと思っていたあれじゃないか?」
駆け寄ってみるとそれは秀規がほしいと思っていたシューズキーパーだった。
びしょぬれになっているが乾かせばまだ使えそうだ。
「もったいないなあ。でもこれを持ち歩くわけにはいかないから、
 すぐ家に持って帰ろう。まだ時間は大丈夫だろう。」
秀規はそれを拾った。
さあ、すぐ自宅に戻って置いてこなければ。
秀規がもとの道を歩こうとしたその瞬間、秀規の顔に何かが飛んできた。
「ぎゃー!」
一瞬の衝撃だった。
秀規は飛んできた看板にぶつかり、転げてしまった。
「痛いよー!」
おでこにぶち当たった衝撃で後ろへ転げた。
手をついたものの、洋服はびしょぬれ泥だらけ。
おでこに手をやると血がついていた。
「わあ、出血してる!あぁ・・・。」
秀規はショックで失神してしまった。


769 :名無しさん:2007/07/15(日) 20:01:04

 ピーポーピーポー・・・。
その頃私は菊さまがそんなことになっているとも知らず過ごしていた。
朝食を済ませ、昨日のお礼に菊さまへメールを打とうと思った。
母に病院のロビーまで車椅子で連れて行ってもらい、メールを打った。
「菊さま へ
 おはようございます。昨日は来てくれてありがとう。
 プレゼントさっそく携帯につけてます。
 菊さままた会いに来てね。愛してます。
                ○○より」
送信。
私は菊さまからの返事を待つことにした。


770 :名無しさん:2007/07/15(日) 20:08:57

 ところが待てど暮らせど返事は来ない。
売店で時間をつぶしたりしたんだけど駄目だったので仕方なく病室に戻った。

そのころ秀規は○○の居る病院へ救急搬送されていた。
失神していた秀規だが、医者の手当てでようやく目を覚ます。
「あ?ここは?」
「病院です。これから怪我の手あてをします。
 縫いますので。麻酔をします。」
「えー縫うんですか?あ!仕事があるんですけど。どうしよう。」
「仕事先に看護婦が代わりに電話しましょう。」
「マネジャーの携帯に電話を・・・。」
そして秀規は局部麻酔をして無事額を縫われた。
「念のため頭部CTとりましょう。」
CTの部屋へ連れて行かれる。
1時間後、異常なしと診断され秀規は開放された。
すぐマネージャーに連絡する。
「もしもし、今日は台風で交通機関が動かないから中止になりました。」
「ああそうですか。」
「怪我はどう?」
「はい、額を縫いましたが異常なしで帰ることができました。」
「そう、お大事にね。じゃあまた明日。」
「はいお疲れ様です。」
秀規は帰ろうとして、ふと気がついた。
「そういえばあいつのいる病院だった。」


771 :名無しさん:2007/07/15(日) 20:16:00

 私は菊さまは忙しいのかなあと思いながらテレビを見ていた。
外は激しい台風。ニュースでも各地の被害状況がながれていた。
「菊さま今日はどこでお仕事なのかしら?」
すると声がした。
「○○!おはよう!」
「き、菊さま!どうされたんですか?それにその包帯は?」
「実は・・・。」
秀規は事の顛末を話した。
「菊さま、粗大ごみなんて拾わないでくださいよ。」
「べつにいいじゃないか。」
「なにもこんな天気の日に拾うこと無いじゃない。 
 だから怪我するんですよ。
 菊さま、もっと自分の体大事にしてください。
 菊さまだけの体じゃないんだから。」
「俺だけの体じゃないって・・・。え?どういこと?まさか・・・」
「いいえ、違いますよ。
 別に妊娠してるとかじゃなくて、私にとっても大事な人なんだし、
 お仕事のこともあるんだから。菊さま体が資本なんだから、気をつけてね。」
「ああ、分かったよ。」
「でもよかった。その程度で済んで。
 メールの返事が無いから心配したんですよ。」
「ごめん。そうだ、町内の掲示板にはってあったんだけど、来週花火大会が
 あるらしい。お前見たいよな?」
「はい。でもここから見えるかなあ?」
「外出許可もらえないのか?」
「わからない。まだ腕も治らないし。」
「そうか、でもここの窓から見えるかもしれないし。」
二人はその後も楽しく歓談した。


772 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:17:16

 花火大会の日が来た。
同じ病室の人の話によるとこの病院からも見えるらしい。
私は菊さまにそのことを話した。
「じゃあ、おれそっちに行くよ。」
菊さまが病院に来てくれることになった。
その晩私は菊さまを待った。
病室を訪れた菊さまを見てびっくりした。
なんと甚平を着ておられた。
「菊さまの甚平姿初めて見ました。素敵です。」
「そうか?似合ってるか?」
「はい。日本男児って感じで。惚れ直しました。」
まんざらでもなさそうな菊さま。頬がすこし赤みをさす。
私たちは病院の廊下から花火を眺めた。
ドーン、ドーン
花火の音を聞いていると夏だなあって思う。
今年は菊さまとこの花火を見れる。
私は初めての花火デートに胸をときめかせていた。
「わー、綺麗だなあ。」
菊さまの目が輝いているように見えた。
少年のように喜ぶ菊さまの横顔を見て、私は一層菊さまを愛しく感じた。


773 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:24:59

 その後私は腕の骨折が治り、退院できることになった。
仕事にも復帰することになった。
松葉杖をついての出勤は大変だったが、父が車で送ってくれることになり、
なんとか仕事復帰できた。
そして、菊さまから菊地邸へ遊びに来ないかとお誘いがあった。
「お前の退院祝いするから。」
私は仕事から家に一旦帰り荷物を置いて、菊地邸へ行った。
ピンポーン。
「はい。」
「○○です。」
「今あけるよ。」
ドアが開く、するといつもと違う菊さまが目に飛び込んできた。
「ご主人様、お帰りなさいませ!」
なんとそこにはメイド服に身を包んだ菊さまがにっこり微笑んで立っていた。
「菊さま!どうされたんですか?」
「どうもこうも、今日はメイドになったんですのよ、ご主人様!」
私はあいた口がふさがらなかった。
菊さま頭ぶつけてから少しおかしくなられたのかしら?
私は戸惑いながらもリビングに通された。


774 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:30:59

「菊さまその服はどこで調達されたんですか?」
「アキバで揃えましたぁ!」
あくまでもぶりっ子系で押し通すつもりらしい。
まあいつもと違う菊さまも趣向が変わってて楽しい。
するとメニューらしきものを出してきた。
そこには「オムライス」と書いてあった。
オムライスしかないらしい。
「オムライスください。」
「はい、ご主人様!オムライスにはなんとお書きしたらよいでしょうか?」
「じゅあ、大好き○○ちゃん!でお願いします。」
「はいご主人様!」
菊さまが台所へ行かれた、私はこっそり台所をのぞく。
菊さまがオムライスらしきものを電子レンジに入れていた。
そして温め終わるとケチャップで文字を書いている。
私はすぐ席に戻り、菊さまが来るのを待った。


775 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:36:03

「おまたせしましたぁ。オムライスです!」
「ありがとう。」
私は食べてみた。
冷凍ものかと思ったけど、なんか手作りっぽい味がした。
ちゃんと「大好き○○ちゃん!」とケチャップで書かれていた。
「これは手作りですか?」
「はい、先に作って待ってたんです。
 冷めたのでレンジにかけました。ご主人様!」
「とても美味しいよ。ありがとう。」
「ご主人様、この他に写真撮影のサービスもあります。」
「じゃあ、お願いします。」
すると菊さまはカメラを持ってこられた。
セルフタイマーをかけ、私はメイド姿の菊さまと写真を撮った。
「ご主人様、本当ならポラドイロでとるんですけど、今日は普通のカメラしか
 無いので、後日現像してお渡しします。」
「はい分かりました。」
ちょっとどんな写真か楽しみだ。


776 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:40:42

 食べ終わった私にお茶を出してくれた。
菊さまもいいかげんメイド言葉に疲れてきたようだった。
「菊さまもういいですよ。普通に喋ってください。」
「ああ、そうさせてもらうよ。今日のもてなしはどうだった?」
「はい、とても嬉しかったし楽しかったです。」
「そう、良かった。でも他の人には秘密にしてくれよ。」
「はい、二人だけの秘密ですねwww」
「どうせ変態だと思ってんだろうけど・・・。」
「そんなことないですよ。変なのは前から分かってますから。」
「なんだと?このやろうめ!」
そういうと菊さまは私をソファーに押し倒しくすぐってきた。
「きゃー、菊さま!くすぐったい、やめて!」
「ご主人様!これもサービスですわ。」
菊さまはしばらく私をくすぐり続けた。
私は久しぶりのスキンシップに笑いながらも嬉しさを感じた。
菊さまと触れ合うとやっぱり癒される。
そのうちに菊さまの目が真剣になってきた。


777 :名無しさん:2007/07/15(日) 21:46:31

くすぐるのを止めて菊さまは私の目を見つめてきた。
「○○、愛してるよ。
 お前が事故に遭った時俺、お前が死んだらもう生きていけないって思った。
 だけどここにお前はこうして生きてる。
 お前が生きてることに感謝するよ。
 だからこれからも俺のために生きていってくれ。」
「はい、菊さま。
 菊さまも私のために生きてください。」
私たちは抱き合った。
菊さまはメイド服を脱ぎ捨て、裸になられた。
久しぶりに見るその美しい裸体。
菊さまは私の足を気遣いながら優しく抱きしめてくれた。
ああ、やっぱり愛しい人に抱かれると気持ちいい。
私は菊さまの愛を一身に受け、身も心も癒され続けた。
二人はその後も抱きしめあい、愛を確かめ続けた。

Last modified:2007/09/30 12:03:31
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