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モデル 第2章

26 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/11(日) 21:42:41

ドンドンドン!
菊さまがせかしてくる。
「おーい○○、大丈夫?具合悪いのか?」
無駄毛処理に失敗してしまった私は途方にくれておりました。
「おい、お腹痛いのか?大丈夫か?」
「はい、大丈夫です・・・。」
どうしよう。このまま出ないわけにも行かないし。えい、恥ずかしいけど・・・。
私はドアをそっと開けた。
「おお大丈夫か?えらく長いから倒れてるのかと思ったよ。
あれ?剃刀なんで持ってるの?」
「ああ、実は・・・。」
「あれ?お前腕から血が出てるじゃん、足からも。どうしたんだ?」
菊さまは不思議そうに聞いてくる。
「はい、無駄毛を剃ってなかったので、菊さまの髭剃り借りてトイレでこっそりそってました。
でも、なにも塗らずに剃ったので剃刀負けしてしまって・・・。」
私は自分でも情けなくなりながら菊さまに事の顛末を話しました。
「はははは、なーんだ。そんなこと隠さなくても風呂場で堂々とやればいいことじゃない。
正直に言ってくれれば良かったのに。」
「すみません。どうしても菊さまに無駄毛を見られるの恥ずかしくて・・・。」
私は顔も真っ赤、剃刀負けの跡も真っ赤という赤っ恥の連続で立ち尽くしておりました。
「さあ、シャワー浴びてこいよ。それから消毒しよう。ばい菌入ったらいけないから。」
菊さまは優しい言葉をかけてくださいました。

27 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/11(日) 21:54:30

秀規は彼女がシャワーを浴びている間、救急箱を取りにいった。
「まったくびっくりするようなことをする女だ。
でもそういうところも可愛いんだけどな。w」
秀規はクスリと笑いながらマキロンと脱脂綿を用意した。
「あっ、バスローブも用意してあげておこう。」
彼女が風呂からあがって来たようだ。
「おい、これ着れよ!」
秀規は彼女にバスローブを着せる。
彼女のセミロングの髪が少し濡れている。
そして鎖骨部分に玉のようにはじいた水滴があるのを見て、
秀規は彼女の肌の若さをあらためて感じた。
益々彼女に女の色気みたいなものを感じた。
「さあ、消毒しようか。」
「はい。ありがとうございます。」
秀規はマキロンを含ませた脱脂綿を彼女の傷口に塗り始めた。
なんとなく恥ずかしがっていたが、彼女は素直に脇の下を見せていた。
「痛々しいな。シャワー沁みただろう。今度から素直に言ってくれよ。
お前に怪我とかさせたらお前の両親に申し訳ないから。」
「えー!菊さまから私を気遣う言葉がでてくるなんて・・・。
熱でもあるんじゃないんですか!?」
彼女は目を丸くしてびっくりしたような表情をしていた。
秀規は顔を赤らめ、自分でもなぜそんな言葉が出たのか不思議だったが、
それは本心であることは分かっていた。
「うるさい!あまり喋るな、喋るとお前はブスになる。」
「そんなーひどい!」
彼女はふくれっつらになった。

28 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/11(日) 22:01:16

秀規は彼女の消毒を終えると、エアコンの温度設定を上げた。
「さあ、ソファに寝そべってみてくれ。」
彼女は言われるままに動く。
「そうそう、それじゃあ脱いでみて。」
彼女はゆっくりバスローブを脱いだ。白くて丸みを帯びた体。
何度も抱いた体だけど、とても眩しく思えた。
「じゃあ、その体制で描くから。」
秀規はスケッチブックと鉛筆を持ち、スケッチし始めた。
「菊さま、何十分ぐらいかかりますか?」
「ああ、30分ぐらいかな。」
「えー私この体制無理ですよ〜。」
「我慢しろ、なるべく早く描くから。」
「早くしてくださいよ。」
「もう、あまり喋るな!集中させろ!」
秀規の顔が真剣なのを見て彼女は黙った。

29 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/11(日) 22:29:41

描いていると暑くなってきたので秀規は自分も服を脱ぎ始めた。
下着1枚になってなおも描き続ける秀規を見て、彼女の口が開いた。
「菊さまのそんな真剣な表情初めてです。」
「うるさい!俺はいつでも真剣だ。ていうか喋るな!動くな!」
秀規はヒステリックに怒った。
30分後、どうやら描き終えた秀規はえんぴつを置いた。
「菊さま描けたんですね。見せてください。」
裸のまま、彼女がスケッチブックを覗き込んだ。
「わー、すごい上手。裸を描かれるのって恥ずかしいけど、
これだけ上手なら許せます。ありがとう菊さま。」
そいうと、彼女は秀規に抱きついた。
「まったく、お前は人並みより体型が悪いんだから。
どちらかといえば下半身太りぎみなんだから、あんまり良いモデルではないな。」
秀規はつい毒を吐いてしまった。
「良いモデルではないかもしれないけど、私うれしいです。」
彼女は秀規の毒にも怒らず、それどころかキスをしてきた。
「そうだ、モデルしたんだから、何かご褒美をくださいよ。」
「なんで?」
「なんでって、裸婦のモデルさんでもバイト代とかもらうものじゃないんですか?」
「まったく強欲な奴だ。」
「強欲って、菊さまこそ欲の固まりみたいじゃないですか。
それもエロい欲の固まりですよね。私の裸描いて本当はどうするつもりなんですか?
まさかどこかに売りに行く気じゃないでしょうね?」
「ぷぷぷー!お前のこんなトドみたいな裸だれが買うんだよ。
俺ぐらいのもんだぞ、文句言わずにお前のこと抱けるの。」

30 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/11(日) 22:39:54

「ひどい。じゃあ、今まで我慢して仕方なく私のこと抱いてたってことですか?」
彼女はなみだ目になっていた。
そんなことない。いつだって真剣にお前のこと抱いてるよ。
この絵だってお前の若さを永遠に残しておきたいから描いたんだ。
でもこんなこと恥ずかしくて言えない。
秀規は本心と裏腹なことを言ってしまう。
「ああ、そうだよ。だいたいお前から誘ってきたじゃん?」
「そんなー、そんなことないですよ。
最初に誘ったのはそっちでしょ。私よく覚えてますよ。」
彼女はもう、泣きそうだった。
「そうだったけ、もうどっちでもいいだろうそんなこと。さあ、服着れよ。」
そういうと、秀規はエアコンの温度をいじりだした。
私は菊さまに言われたことが胸に突き刺さって、とても情けない気持ちになっていました。
今日私一体何しに来たんだろう?剃刀負けして、シャワー浴びて、
消毒して、そして菊さまのわけの分からない写生に付き合って。
おまけにトドだって。そして今まで仕方なく抱いたっていうのが腹が立つ。
私やっぱり遊ばれてたのかなあ。愛してくれてるとばかり思っていたのに。
私は素早く着替えると、菊さまに挨拶もせず、玄関に向かっていた。

32 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/12(月) 21:44:07

「おい、すきやきの用意してるから食べようよ。あれっ?」
振り向くと彼女はいなかった。秀規はあわてて玄関に行く。
靴が無い。ドアを開けてみると、エレベーターに向かって歩いていく彼女が見えた。
「おーい、待てよ。夕飯食べていけよ。」
秀規が呼び止めても彼女は知らん顔。そのままエレベーターの中に消えていった。
秀規は階段で降りて追いかけた。
「やばい、さっき言い過ぎたかな。」
ちょっと後悔しつつ、秀規は彼女を追いかけ、下の道路で追いついた。
彼女の腕をつかむ。
「離してください。この人痴漢ですって叫びますよ!」
彼女は冷めた目で秀規を見た。秀規はあわてた。
「ごめん、さっきは言い過ぎたよ。許して!機嫌直して戻ってきてよ。」
「嫌です。もうあなたに抱かれたこととか食事したこととか全部帳消しにしたい気分です。
もう会うことも無いと思いますので。さよなら。」
そういうと彼女はスタスタと歩き出した。
「なんで急にそんなによそよそしいんだよ。さっきはキスしてくれたじゃないか。
なんで今までのこと帳消しなんだよ!俺はぜったいそんなの認めないぞ!」
「うるさいわね。認めたくなければ勝手にどうぞ。私はもう帳消しにしたの。
もう家にも来ないでくださいね。着たら警察よびますから。」
「おい、待てよ、なんで急にストーカー呼ばわりなんだよ。
何がそんなに気に入らないんだ。言ってみろよ。」

33 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/12(月) 21:51:05

「何言ってんのよ、そんなの自分が一番分かってるんでしょ!
自分の胸に聞いてみなさいよ。もう、離してよ、しつこい男大嫌い!」
そういうと彼女は秀規の手を振り払った。ものすごく強く。
しかし、尚もしつこい秀規は彼女を追いかけた。
「おい、しつこいのは俺の特徴だ。それはお前も充分承知してるはずだろ。
なんなんだよ。お前俺のこと愛してるって言ってくれたじゃないか。あれ嘘か?」
「愛してたわよ。誰よりも一番、世界で一番愛してた。
でも、あなたは私のこと愛してないじゃない。」
そういうと、彼女の目から大粒の涙が零れ落ちた。
「そんなことない。俺はお前を・・・愛してる。何で分かってくれないんだ。」
「嘘よ、信じないもう、絶対・・・。」
そういうと、彼女は走って暗闇に消えてしまった。
「○○、待ってくれ〜!」
秀規は尚も追いかけた。

34 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/12(月) 22:03:46

私は家に逃げ帰りました。
「おかえり、どうしたの。息が切れてるけど、それにどうしたの涙が出てるけど?
なにかあったの?」
母に問い詰められた私はことの顛末を話しました。
「菊さまにお前はトドみたいだって言われた。
お前と付き合えるのは俺ぐらいのもんだとか、仕方なく付き合ってやってるって言われたの。
だからもう別れることにしたの。家に来ても入れないでね。警察呼ぶって脅してやってね。」
「そんなこと本当に言ったの?
あなたたちのことだから売り言葉に買い言葉で心にもないこと言い合ったんじゃないの?
本当に菊地さんそんなこと思ってるのかしらね。」
「もう、どうでもいいよ。すっかり冷めちゃったから。それより早くご飯頂戴。」
私は椅子に座り、ご飯を食べ始めた。
ドンドン、ドンドン
「ごめんください!○○さんいらっしゃいますか。菊地です!」
「うわ、お母さん絶対開けないで。無視して。」
「そんなわけにもいかないでしょ。私が話してみるわ。はーい少々おまちください。」
そういうと母は玄関に向かった。私は菊さまに絶対会いたくないから部屋へ逃げ込んだ。

35 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/12(月) 22:08:44

「こんばんは。○○さんいらっしゃいますか?」
「はい、おりますけど・・・。なにか喧嘩したそうですね?」
「はい、そうなんです。どうも誤解させてしまったらしくて・・・。
僕が悪いんです。○○さんのこと傷つけるようなこと言ってしまったから。」
「○○もさんざん菊地さんにこれまで迷惑かけたんでしょうからね。
多分誤解が解けたら今までどおり仲良くなれると思うんだけど、○○でてらっしゃい。」
お母さんが呼んでる。絶対言ってやるもんか。
「お母さんちょっと上がらせてもらっていいですか?」
「はい、どうぞ。」
「おじゃまします。」
やばい、菊さまがこっちにやってくる。ぜったい部屋のドアあけてやらないからな。
私は鍵をかけ、ベッドに入った。

 

36 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/13(火) 20:09:17

ドンドンドン
「おい!○○開けろよ。話し合おう。俺が悪かった、許してくれ〜!」
秀規は甲高い声で彼女に懇願した。しかし返事は無い。
「おい!無視か!無視するなんて一番卑怯なやり方だぞ。何とか言ったらどうだ!」
「・・・・・。」
彼女からの返事はやっぱり無い。
「菊地さんごめんなさいね。うちの子意地っ張りだから。○○いい加減出てきなさい!」
彼女のお母さんも彼女の部屋のドアをドンドン叩いた。
しかし返事は無い。
秀規はこのままここにいてもらちが明かないので、帰ることにした。
「お母さんお邪魔しました。今日は帰ります。でもまた来ると思いますけど・・・。」
「ごめんなさいね。また来てね。」
秀規は挨拶をすませると、とぼとぼと暗闇の中に消えていった。

37 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/13(火) 20:42:58

菊さまが帰ったのを見計らって私は部屋から出た。
「あーあお腹減った。あらためていただきます。」
私はご飯を食べ始めた。
「まったく、無視することないじゃない。
すごく寂しそうに帰っていかれたわよ。後で電話してあげなさい。」
「いやなこった。二度としないもん。」
「あれだけ親の反対を押し切って付き合ってきといて、
もう別れるって、根気がなさすぎるわ。」
お母さんがぶつぶつ文句言い出したので私はわざとテレビの音量を上げた。
そして早めにご飯をかきこんで、風呂に入った。
風呂に入って考えてみた。
あんなに愛していた菊さま。でも今は許すことができない。
へそ曲がりで強情だといわれても私の気が治まらない。
菊さまが参ってしまうまでこのままで居てやろう。
私はこうやって菊さまへ徹底抗戦することを心に誓った。
Last modified:2007/02/26 13:07:04
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