Create  Edit  Diff  FrontPage  Index  Search  Changes  History  wikifarm  Login

03-121

「もう拗ねなくってもいいじゃない?満足のいく私の手料理、お互いに飽きない語らい、それに夜の営み
私も気に入っているし…心を尽くしているのよ?それでも気に入らないかしら、柊?」
「そういう問題じゃねぇよ!だいだいこんな所に閉じ込める時点で間違ってるぜ、おぃ!いや…確かに
う、美味かったぞ?あの菜っ葉の煮物とか…鯖の塩焼きとか…美味しかった…ってぇ!懐柔されてるな
俺っ!それよりも問題は夜だ!夜!俺の尊厳とかアイデンティティはどこにいった!」
実際、柊はかれこれこの一ヶ月満足していた。日の出と共に一つのベッドで目覚め…語らい共に食して…
其処まではよかった、ただ彼にとっての不運は夜の出来事であった、夜毎行われる淫靡な宴、自らも知り
得なかった初めての体験と状況、それが毎夜行われていた。
生きているうちに知らなくてもよかった悦び、知ってしまったからこそ与えられて毎夜を思いだすその
喜びを。
「だ・か・ら…♪ないって言ったでしょう?柊は私のおもちゃ…当然、私はかけがえのないおもちゃは
大事にするの」


何時のころからか"月匣"の窓から見える色が夜色に染まった時には二人とも素肌のままでベッドの中に
居た、傍目には…ふて腐れた男の胸にしな垂れかかる乙女の姿だった。
「そのために…ちょっと協力してくれる?柊…ちょっと…ね、たまには私がお姉さんになって…それから
可愛い弟…蓮司が…うん、ああっ…ちょっと、心が弾けそう…」
闇が広がる、胸騒ぎのする羽音が何十にも積み重なった音と共にこの"月匣"と共に…。
「おいっ!ちょっとまったこれ…って……っぐ!…ベル……っ!これっ…シャレになって………ねぇ…
ぞ…よせって…ベ……ル…」
そのまま部屋は闇に包み込まれる、そして再び小さな部屋から日の光が漏れ始め柊は薄っすらと瞳をあけ、
る…目に映る光景はあとは先ほどと変わらぬ小さな部屋。だけど、柊にはベルが大きく見えた、何時も見
下すような少女ともいえるベルに見下されていた。


「んぁ…おはよ…ベル姉ちゃん…いま、起きる…よ…っ!」
目の前の光景全てが信じられなかった、柊が大好きで大好きでずっと一緒にいたいと願う姉が全裸のまま
一つのベッドにたたずんでいた事。もう一つ、目の前で面白そうに見下されている幼い体を理解できた時
それが他でもない魔王に抱きすくめられた自分が信じられなかったから。
「ふふっ、蓮司ぃ…いつもねぼすけさんだからおねーさんが起こしにきてあげたわよぉ?」
「うぁっ…ベルっ……っ!…ベル姉ちゃんっ…な、あぅっ…ぅあ、あぅ、あぁぁああっ!」
柊は自分が誰なのか理解できなかった、憧れの姉が目の前で全裸でいる事。今まで柊としての自分がない
混ぜになり、そしてなにが本当の事であり偽りなのか理解できず共にその記憶が混乱して。

Last modified:2012/03/30 00:52:16
Keyword(s):
References:[リスト/カテゴリ別/ナイトウィザード]