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17-418

418 名前:いつふた:2007/11 /04(日) 12:34:59 ID:J4MnsT5C ゲーム:ナイトウィザード無印(NW前編) エンゼルギア 原作:>371-372 形式:小説形式(主として三人称。男性目線)。
レス数:4+1
分割:前後編の前編。
エロ分:強姦。挿入なし。フタナリ注意。
エロシーンの分量が、それ以外の分量未満である。
連続性:単発。
時節:秋。
終幕:ハッピーエンド。
備考:オリジナルキャラクター登場。データはサンプルキャラ準拠。

419 名前:NW前編 1/4:2007/11 /04(日) 12:37:36 ID:J4MnsT5C
◇小さな奇跡

――聖なるかな聖なるかな聖なるかな聖なるかな――

鈴のごとき声が清らかな歌を紡ぐ。だが、その歌声は破滅へのカウントダウ
ンだ。マスケンヴァル現象――天使化した者が最期に引き起こす未曾有の大惨
事。放置すれば街が総て跡形もなく吹き飛ぶ。否、街だけではない、世界を守
護する“常識”の結界も、煽りを喰って綻びを生じる。そこを侵魔に付け込ま
れれば、間違いなく地球は滅びるだろう。
「だから、……」
ゆっくりと、教え諭すように、グィード・ボルジアが言った。
「殺してやらなければならないのだよ、彼女を。他ならぬ、君自身が」
もはや手遅れなのだ。事実、彼女の――それとも彼の、か?――淡い紫色を
した綺麗な瞳は、遥か彼方を虚ろに映すのみで、あの凛とした意志の片鱗すら、
今はもう、残してはいない。

僕が殺さなくちゃいけないんだ。
僕が殺してあげなくちゃいけないんだ。

少年は選択を迫られる。たった一つしかない選択肢を。

見慣れたはずの、見飽きたほどの、学校の教室の中を。
鮮血のような、絶望のような、真紅の光が染め変える。
月匣の深奥には『天使幼生』と呼称されるモノがいて、彼女をグィード神父
が背後から抱きかかえている。小さい子供めいた柔らかさの肢体が、濃色のカ
ソックを背景にして仄かな白光を灯すかのようだ。
清楚な胸の膨らみ。その先端の慎ましい彩り。彼女は、開花し始めたばかり
の蕾にも似ている。それなのに、産毛すら生えていないように見えるなだらか
な下腹部には、見紛いようなき男のしるしが屹立している。

自分はショックを受けている、と少年は自覚していた。
当たり前だ。好きな女の子が、実は女の子じゃなかったと知って、狼狽えな
い男が一体何人いる?
けれど、本当はそんなことはどうでもよくて。
一番ショックだったのは、少女が彼に近づいた理由。世界の真実に触れて戸
惑い、非日常の戦いに巻き込まれて怯える彼を、いたわり、支えてくれていた
理由。
恋ではなくて。好意ですらなくて。
彼が“大いなる者”であり、彼女が“使徒”だから。
彼に仕えることが、彼女の存在理由だから。

420 名前:NW前編 2/4:2007/11 /04(日) 12:39:30 ID:J4MnsT5C
彼女にとって大切なのは、彼自身ではなく。
彼女が彼に重ねて見ている、かつての“主”の姿だったから。

――聖なるかな……ァア……ァ、聖、なるかな……――
繰り返される旋律に、熱い喘ぎが混じりはじめた。それは、硬く大きな神父
の手が、天使の股間を巧みに弄っているせいだ。666回、聖句を繰り返せば
マスケンヴァル現象が起きる。ゆえに、グィードは一分一秒でも“その時”を
遅らせるべく天使の歌を阻害しているのだ。
「さあ、早く。今のうちに」
神父の表情に、いつもの余裕はない。天使の背中から徐々に徐々に延びてい
く美しい、だが醜悪な両翼。歴戦のウィザードとて、それを完全に止めること
はできない。延びきった翼が大きく広げられた瞬間が、この街の最期。世界の
滅びの始まり。
少年は少女に指を向ける。指先に、虚属性の魔力が集中する。《ヴォーティ
カル・ショット》、この距離なら決して外さない。そして彼女は抵抗などしな
い。虚無に喰われて、苦しむ間もなく、彼女は死ぬ。消えてなくなる。

昔、僕は世界を守るために彼女を創り出した。
今、僕は世界を守るために彼女を殺そうとしている。
彼女の瞳が、ふと、僕を見つめたように思えた。
そして、優しく微笑んだ気がした。
僕が彼女を殺しても、彼女は僕を恨まない。憎まない。嫌わない。
あのとき彼女が口にした台詞が、僕の耳に甦った。
『……私は我が主の命に従うものです。……それでいいんですよ』
悲しくて悲しくて悲しくて、僕は自分に腹が立つ。

気が付けば、少年の魔力は雲散霧消していた。
しまった、と彼が呪文を唱え直そうとしたとき、
――ァアー! ァアーア!――
白く仰け反る細い喉から、快楽の絶叫が高く迸る。
幼い男根から精液が放たれ、肉厚の掌に受け止められた。
――ア……ァ……せ、ぃ……な……ァァ……――
ひくん、ひくんと小刻みに痙攣している身体は、エクスタシーの余韻に酩酊
しており、聖句を吐くどころではなさそうだ。頬は上気し、表情は甘くとろけ、
大きく広げた両足の間には、男のそれだけではなく、女の花蜜までもがとろと
ろと滴っている。
少女の痴態に、少年の目は釘付けになった。
一方、グィードは、己の手に絡みにいた粘りけのある白濁を、まるで少年に
見せつけるかのようにねっとりと舐めとる。
我知らず、少年の喉がゴクリと鳴った。

421 名前:NW前編 3/4:2007/11 /04(日) 12:42:19 ID:J4MnsT5C
神父はニヤリと笑う。
「君も、味見をしてみるか……?」
その指を、少年の口元に差し伸べる。
背徳の聖職者にいざなわれ、いけないこととは知りつつも、操られるように
少年の唇が開き、ゆっくりとその舌を、男の指に…………。
「どりぃ〜む」

卵の殻が割れ落ちるようにグィード神父の姿が割れて落ちた。
あとに残ったのは、天使幼生を背後から抱きかかえている少年。
それから、そんな彼を呆然と眺めている、全く同じ顔で同じ年格好の少年。
いつしか教室は茫漠たる荒野と化し、冷たい風が彼らの肌を責め苛む。二人
の少年と哀れな天使とを宙空から見おろして、立て襟マントに腹出しルックの
変態、もとい、夢使いの正式な装束を身にまとった長身の男が静かに佇んでい
る。
「ああ……ああああっ……!」
落ちてゆく“卵の殻”を再び自分に貼り付けようと足掻き、それが無駄だと
知って、
「なんてことをしてくれたんだ、ドリームマン!」
少年が悲鳴を上げた。
「これじゃあまるで、“僕”が彼女を犯したみたいじゃないか!」
「彼女を陵辱したのはお前だ」
厳然たる真実が突きつけられた。
「『お前が』、彼女を汚したたのだ」
「え? ええ? えええっ?」
少年は混乱した。
グィード神父は満身創痍、聖剣グローリアで餓鬼のような侵魔を貫いた姿勢
のまま昏倒していた。少年の記憶が甦る――そうだ、神父は鍛え抜いた肉体そ
のものを盾と為し、少年と、天使化しつつある少女とを庇って、侵魔の大軍を
相手取り奮戦、ついにこれを退けたものの、力尽きてしまったのだ。
「じゃあ、さっきのは、一体……?」
誰に尋ねるともなく少年が呟くと、
「まだわからないのか? それともまだ認めたくないのか?」
ナイトメアの異名をとる夢使いは、ただただ事実をのみ指摘した。
「お前は自ら悪夢に呑まれたのだ。……お前の創った悪夢に」

そうだ、これは悪夢だ。この月匣が見せる悪夢だ。少年の目の前にいる、も
う一人の少年――この月匣のルーラーが創り出す悪夢だ。
現実の悪夢だ。
だが、それは少年が望んだ悪夢でもある。
――女の子だと思っていたのに。

422 名前:NW前編 4/4:2007/11 /04(日) 12:46:12 ID:J4MnsT5C
女の子じゃなかった。
――僕のことを好きでいてくれていると思っていたのに。
僕のことなんか何とも思ってくれていなかった。
――嘘つき。裏切り者。信じていたのに……!
勝手な期待だとわかっていた。勝手な失望だとわかっていた。それでも、少
年の中のドロドロした思いが、彼女を断罪する正当な理由を欲した。先日友達
と遊んだゲームの用語が、丁度その用向きに適していた。
天使化。
マスケンヴァル現象。

“僕”は《小さな奇跡》を起こした。
“僕”が、彼女を天使化させた。
彼女が天使化し、その結果大惨事が引き起こされると知れれば、誰かが彼女
を殺してくれると思ったからだ。
でも何故だろう、誰も彼女を殺してはくれなかった。
無論、彼女を殺して事態を治めようとした者は大勢いた。
けれどもそれ以上に、彼女を天使化から救うことで事態を治めようとした者
――たとえばグィード・ボルジア神父――たちの懸命な努力が、彼女を今日ま
で守り、生かし続けた。“時を司る女神”ライム=ケーベルまでもを動かして
少女を“凍結”し、彼女の時間が止まっている隙に、必死で解決策を模索して
いた。
……だったら、僕が彼女を殺すしかないじゃないか。
僕と彼女を月匣に取り込み、“常識”を書き換える侵魔の力で彼女の時間を
“解凍”。悲劇の主人公たる僕は、この街のため、世界のために、仕方なく彼
女を殺すのだ。

423 名前:NW前編:2007/11 /04(日) 12:46:55 ID:J4MnsT5C
本日はここまで。
次回投下の予定は未定。

Last modified:2013/03/18 17:15:37
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