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ダッカへ帰る日

日本で10年ほど暮らしていたカン兄弟がバングラデシュに帰国するいきさつを書いたもの。第一回開高健ノンフィクション賞優秀賞受賞作品です。

著者は、カン兄弟の友人としての視点と、不法滞在や外国人労働者の実態などを併せ、とても興味深くまとめています。また、「バングラデシュにいるバングラデシュ人」を知っている私にとって、「日本にいるバングラデシュ人」をこの本で知り、共通点と相異点を見つけ面白く思いました。

不法滞在の外国人労働者

カン兄弟は、10年ほど不法滞在の外国人労働者だった。カン兄弟の日本での境遇からはじまり、不法滞在の外国人労働者全体の境遇、日本経済と外国人労働者の関係などなど、外国人労働者について詳しく知ることができます。

バングラデシュにいたときも、そして今でも「日本にはどうやって行ける?」など多くのバングラデシュ人に尋ねられます。それまでは、「バングラデシュ人が不法労働したからVISAが出なくなっちゃったんだよ。文部省奨学金を取らないと無理だよ。」と適当に答えていたけれど、これは正しくないと思いました。どちらかというと、「日本には期待しているほど仕事がないから、大金をはたいて日本に行くべきではない。」など、いろいろ忠告する必要がありそうです。

出稼ぎとバングラデシュ家族

中近東、アジア、アメリカなどへ、出稼ぎをするバングラデシュ人はたくさんいる。私の知合いにもいたが、いままではそれについて深く考えることはなかった。外国で稼いで帰ってきて、その稼ぎを元に商売を始めるのが多い思っていたが、みんなが成功するわけではないようだ。

出稼ぎ中に送金をしつづけ大家族を養わなければならなかったり、満足にお金を貯める前に不法滞在で捕まってしまったり、無事帰国してもバングラデシュで商売を始めるのにも、邪魔をされたりなどなど。

バングラデシュで就職できない多くの若者達を見てきたけれど、彼らが外国に期待をするのもしょうがないのかもしれません。毎年1回行われるアメリカ移住権獲得抽選会(DV)には、多くのバングラデシュ人が応募します。

バングラデシュ料理とバングラデシュ人らしさ

本の中で「バングラデシュ料理」とカン兄弟やその知合い達の「バングラデシュ人」っぽさがでてきます。バングラデシュから帰って来て1年目の私には、本に出てくるバングラデシュ料理を想像して一人で舌なめずりしたり、著者の意見に「そうそう」とうなずいたりしました。

本に出てくるバングラデシュ人たちも、日本に来て日本人らしくなったところがあるとしても、私の知っているバングラデシュ人らしさもぷんぷんしていて、懐かしく思いました。

NGOなどの本で、バングラデシュの「村人」や「援助される人」を目にすることが多いかもしれませんが、この本に出てくるバングラデシュ人もバングラデシュ人として多くの人に知ってもらいたいと思いました。

Last modified:2005/07/23 19:15:41
Keyword(s):[バングラデシュ] [不法滞在] [外国人労働者]
References:[掲示板/2005]