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使用人

使用人とは

貧富の差の激しいバングラデシュ、中流階級以上の家庭では安い給料で「使用人」が働いている。「カジェール・メエ(仕事をする女)/カジェール・チェレ(仕事をする男)」と呼ばれる。

大金持ちの家には仕事別に「使用人」がいてそれぞれに名前がある。

  • 子守をするアヤ
  • 料理担当のバブルチ
  • 庭の手入れをするマリ
  • ドライバー(運転手)も使用人のうち?

など

洗濯機を買うよりカジェール・メエを雇うべし

今の日本では「お手伝いさん」を雇わないで掃除洗濯すべて自分でする。掃除機や洗濯機が手伝ってくれるからだ。バングラデシュではこれら機械を買うよりカジェール・メエを雇ったほうが安上がりなのだ。安い洗濯機が2万タカするとする。カジェールメエは一ヶ月100TKほどで洗濯するとして、200ヶ月=8年くらいは洗濯機代で働いてくれる。貧しい人に雇用機会を与えるためにも、洗濯機を買うよりカジェールメエを雇うべし。ちなみにバングラデシュで掃除機を見たことはない。

カジェール・メエの給料

時代劇なんかに「奉公」する人たちが出てくるけれど、同じ状態だと思う。貧しい家で、食い扶持を減らし、かつ収入を得るために「カジェール・メエ」としてほかの家に働きに行かせられる子供がいる。核家族の中流階級の家に一人はいるカジェール・メエ、掃除・洗濯・料理の下ごしらえと朝から晩まで働いて住み込み月200TKという家もある。イードのときには服などをプレゼントされる。

ところが最近、ダッカの縫製工場で女工として働く村娘たちが増えているのでダッカ近郊ではカジェール・メエ不足。実は女工の仕事のほうが重労働で低賃金なのだが、憧れの「ダッカ」と「好条件」という甘い言葉にだまされているようだ。食事・住居費・衣服のお金を払えば貯金もできないそうだ。

カジェール・メエ不足ということで、「高給・高待遇でなくてはカジェール・メエが雇えないようになってきている。」とダッカの語学学校の先生が言っていた。叱りすぎたりすると簡単にやめてしまうそうだし、イードのときもいいものを与えなければならないらしい。また、カジェール・メエと手を組んだ強盗も流行っているので、ダッカで優秀なカジェール・メエを雇うのは一苦労のようだ。先生にダッカでのカジェールメエの給料の相場を聞いたが忘れてしまった。

外国人に雇われるカジェール・チェレはかなりの高給だ。昔から日本人に雇われているあるカジェール・チェレは日本語も少しでき、日本料理ができる。彼の給料は私の同僚と同じくらいの3000TKから4000TKだそうだ。

カジェール・メエFILE#1(バングラデシュのおしん、「ナシマ」)

大家のところにはとても優秀なカジェール・メエがいる。てきぱきと仕事をこなし、心根が優しく、敬虔なイスラム教徒である。私は彼女が大好きであった。

彼女に、ゴミ捨て場、水汲み場、石油を買うところ、洗濯の仕方、床の磨き方、なべに泥をつけておけばすすが付かないこと、灰をつけてから魚のうろこをとる方法、料理、石油コンロの芯の直し方などいろんなことを教わった。焦げてしまったなべをこすってもらったり、サリーを洗濯してもらったり、床を磨いてもらったりもした。

いつもニコニコしてほんといいこだった。バングラデシュのどうしようもない過酷な運命を前に、「いい人」であり続けるのは至難の技である。私なんかコロンと悪い人になっていたに違いない。彼女は、本当にひどい運命を背負っているのに、それでも周りの人を愛し続け、誠実に仕事をして、本当に偉いと思う。

大家の奥さんは大学の先生だったが、精神病のようだった。「狂う」と家族も手に負えない状態で、あることないことぶつぶつ言い始めるのである。私も初めのころ一度餌食になり泣かされたことがある。カジェール・メエは、誠実に働いてもこの狂った奥さんにののしられ、何度涙を流していたことか。たまに私のいる3階に避難してくるので、飴などを食べさせて話を聞くのだった。「私はどうしてこんなについていないんだろう。」と難しい問いを投げかけてくる。

あるイードのときは、本当に辛そうだった。朝から特別に忙しくて休憩はおろかお祈りもする時間がない。さらに追い討ちをかけるような讒言が大家の奥さんの口から飛び出す。もう耐えられなくなったカジェール・メエは、こっそりと私に言った。「今度イードの里帰りをしたらもう二度とここには帰ってこない。」と。「ナシマ(カジェール・メエ)がいなくなっちゃうのは本当に寂しいけれど、ここにいて辛い思いをするよりはいいから。」と私は答えた。そしてイードから帰ってきてみると、彼女は本当にいなくなっていた。

初めの一ヶ月はナシマの文句を言っていた大家も、ナシマがどんなにいいカジェール・メエだったか思い知ったらしく、2ヵ月後にナシマが大好きな大家の息子とナシマを追い出した奥さんが迎えに行った。風邪で寝込んでいたナシマに、「風邪のときは寝ていればいいから」と願いこんで連れて帰ってきたそうだ。

奥さんの性格は簡単に直るものではない。それより、徐々にエスカレートしているほどだ。帰ってくるときの条件なんて忘れてまたこき使っている。新たなる問題も発生し、また逃亡を企てているナシマ。彼女の幸せは訪れるのであろうか。

イードで新しいサロワ・カミューズをプレゼントしたらとってもとっても喜んでくれた。「オレンジは私の大好きな色なの。」と。嫉妬深い嫁のほうが、自分へのプレゼント(値段が高い)よりナシマの方が評判がいいのでやきもちを焼いていた。大家にも、「自分たちがナシマにあげられなかったので助かったよ」とお礼を言われた。

nasima.jpg

カジェール・メエFILE#2(やんちゃなルビー)

天涯孤独な6歳くらいの女の子がカジェール・メエとして大家のところへやってきた。すごくやせていて、男の子みたいだった。仕事は初めてで、ナシマからいろいろ教わっている。口が達者でしゃべるしゃべる。たまに癪に障って、怒鳴りつけてしまうほどだ。天涯孤独なせいか、人に愛を求め、人懐っこいところがたまらなく可愛いかったりもする。口が動いて手が動かないから、みんなにもよく怒られている。

ルビーは屋上で水浴びをする。バングラデシュって服着たまま水浴びするんだよね。服の下って洗わないのかな。あと、石鹸はつけるけど、手でこするだけの人が多いんだよね。あ、石鹸ってやっぱりカジェール・メエ用があるみたい。安いやつかな?

rubi.jpg

大家のルビー扱いはすさまじい。あんなに小さい女の子を怒って張り倒すのである。直接は見ていないが、何度も暴力を振るわれているようだ。大泣きして、拗ねて、それでも頼るのはこの家族しかいないから愛嬌を振りまくルビーは健気である。家族はみな平気でルビーをびんたする。人間をこんな風に扱っていいものか考えてしまう。子供たちも親にならい、カジェール・メエにひどい態度を平気でする子がいる。同じ人間なのにと思ってしまう。

Last modified:2004/11/05 00:34:33
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